哲也の福岡一周釣り行脚 ~三平にあこがれた少年~ ③初めてのルアー・初めてのブラックバス その3

すさまじい状況だった。

なんと2投目もストライク!

安物だったが、ポッパーがすさまじい威力を発揮!

2匹目は最初のより少し小さかったが、ものすごいヒキで超おもしろかった。

また数回投げると、またヒット!

「ほとんど入れ食いやん!」

哲也は興奮状態だった。

しかし、3匹目を上げたあたりでポッパーが着水してもなんの反応もなくなった。

哲也は決心したように、ルアーをミノーに替えた。

※ミノー=小魚の形をしたルアー。水中にもぐるが、あまり深くはもぐらず、表層を攻めるときに使うルアーである。

そして数回投げるとまたヒット!

トップウォーターと違い、食らいつく瞬間は見れないが、ルアーを〔動かしていたら、急にズシリと重くなる感覚が腕にダイレクトに伝わってくる。これはこれで忘れられない感覚だ。

これから立て続けにまた数匹のバスを釣り上げた。

次はスプーンを試す。

※スプーン=反り返った金属板でつくられたルアー。水中で水の抵抗を受けて不規則に動いて魚を誘う。もともと、釣り師が湖にスプーンを誤って落としたところ、それに魚がかみついたというエピソードから考案されたものらしい。

スプーンでも立て続けにヒットした。

ただ、このころから表層に浮かぶバスの姿はほとんど見えなくなり、ヒットするまでに投げる回数が多くなり、ヒットするバスのサイズもだんだん小さくなった。

大物が警戒心を強め始めたのかもしれない。

ついに、何もヒットしなくなった。

ここでクランクベイトを試すも空振り。再びポッパーやミノーを使ってもダメだった。

※クランクベイト=ずんぐりした形で深くもぐるタイプのルアー。底を這うように進むので水温が低い時や、日差しが強すぎるときなんかにオススメ。

潮時か・・・。

しかし、おもしろいほど釣れた。

途中、初めに釣った32cmを超える35cmを釣り上げ、これがこの日一番の大物となった。

小さいものは15cmほどのものがかかった。

初心者の初挑戦はなんと!たった2時間ほどで16匹のバスを釣り上げるというまさにビギナーズラックの典型みたいな結果となった。

当然、この日さらにルアーの魅力に取りつかれた。

初挑戦は素晴らしい成績だったが・・・。

調子に乗り、次の休みも行ってみたが、なんとボウズ。

その後は、ボウズだったり、ガンガン釣れたりと、日によってまちまちな釣果となるのだが・・・・。

実はこの初日の16匹が、未だに生涯のルアー釣りの最多記録である。

ブラックバス。

ジャンプにエラ洗い、テールウォーク。

そして深くグングンもぐり、ジグザグに泳ぐなど・・・。

多彩な技で、ファイトする者を魅了する魚の代表ではないだろうか?

社会人になり、忙しくて釣りになかなか行けなくなったある日、道具一式を知り合いの子にあげてしまい、今はルアータックルを持っていない。

記事書いてたら、思い出してまたルアー一式そろえたくなってきた・・・。

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