まだ保育園児だったころの帰り道・・・。
今ではだれか迎えに来るが当たり前の時代だが
当時はある程度大きくなったら、一人で帰宅していた。
哲也は帰り道が楽しみでもあった。
田舎だったので、途中草むらでバッタ探したり
田んぼでおたまじゃくし見たりしながら帰った。
この日もあちこち寄り道しながら帰っていたが、途中気持ち悪い場面に遭遇した。
大きなカエルがひっくり返って死んでいたのだが
そこに大小さまざまな虫たちが群がっていたのだ。
図鑑大好き!だった哲也は
それらの虫を見てたいていのものは何という虫かわかった。
アリやハエをはじめ、ゴミムシなんかもいるが
それらよりひときわ大きなものが何匹もいた。
オサムシとシデムシたちだ。
シデムシはそれまで何度か見たことあったが
オサムシは初めてだった。
黒光りするその虫が、他の虫に比べ輝いて見えた。
図鑑では、青っぽいものや赤っぽいもの、緑っぽいなどもいて
とてもきれいな虫だと思っていた。
哲也が見たのはおそらくオオオサムシだったのではないかと思う。
(今となっては確かめようがないが)
で、とにかくそのオサムシが気になったのだが
ほかにいろんないやな虫たくさんいるし
そもそもかなり大きな(20cmほどあったと記憶している。)カエルの死骸は
なかなか気持ち悪い・・・。
というわけで、このときオサムシをつかまえることはできなかった。
それからしばらくオサムシを見ることはなかった。
しかし、あるとき
いつものようにある野山で昆虫採集をしていたとき
素早く歩くオサムシを発見した。
「オサムシだ!」
哲也は興奮気味に叫んだが相手はとにかく速い!
あっという間に茂みに入られ、そのあたりの草をかきわけましたがつかまえることはできなかった。
あのピカピカの虫を一度でいいからつかまえたい!
そう思ったのに、なかなかかないない。
別の日も、ミミズにかみついてるオサムシを発見したが
近づくと逃げていった。
そもそも、なかなか発見できない。
見つけても素早くてとらえられない。
どうすればいいのか悩んだ。