他記事でも書きましたが、昨日稲積水中鍾乳洞に行き、素晴らしい景観を見てきました!
しかし、あの美しい鍾乳石はどうやってできるんでしょう?
今回は化学反応式を用いて説明します!
大学入試でも出る!?高校生は特に必見!の内容です。
まず、石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁るというのは、小学生でも習う一般常識の範囲ではないかと思います。
石灰水とは水酸化カルシウム水溶液(塩基性=アルカリ性)。これが二酸化炭素(水に溶かすと弱酸性)と反応することで中和反応が起こり、その生成物として炭酸カルシウムができます。これがいわゆる白濁の原因です。
ここまではほとんどの人が知ってると思いますが、白く濁った溶液に二酸化炭素を吹き込み続けると、白い濁りが消えて透明の溶液になることまでは知らない人が多いのではないでしょうか?
実はこの反応こそが、鍾乳石をつくる大事な反応なんです。
鍾乳洞の壁や天井はほとんどが石灰石でできています。
石灰石は主成分が炭酸カルシウムです。
この石灰水が水と、空気中の二酸化炭素と触れ合い続けることより化学反応が起こります。
画像のとおり、この際に炭酸水素カルシウムができて、石灰石中の炭酸カルシウムは水滴の中に溶け込みます。
※これが先述の「白濁した石灰水に二酸化炭素を吹き込み続けると白濁が消える」反応です。
天井でできた炭酸水素カルシウムの水溶液は、いずれ地面に落ちます。
地面に落ちた炭酸水素カルシウム水溶液は、蒸発により水分を失います。
このとき、最初の逆の反応が起こります。
(炭酸水素カルシウムが分解し、炭酸カルシウムが生成)
炭酸カルシウムは通常個体で、石灰石をつくる主成分となります。
地面に落ちた水滴中の炭酸水素カルシウム水溶液から、炭酸カルシウム(石灰石)が生成することが繰り返され、柱をつくっていきます。
こうして鍾乳洞のあの独特の岩の形が形成されます。
美しいですね。
実際に行くとわかりますが、鍾乳洞の壁や天井、地面も含め
ほとんどが湿っています。
つまり常に水と触れ合っている状態です。
当然、空気中には二酸化炭素が存在しますから。上記の反応は常に起こっているのです。
すなわち、今見ている姿はどんどん今後も変化していきます。
まあ、とてつもなく長い時間かかるので、数年後に行ったところで変化はわかりませんが・・・。
理系の高校生は、頭に入れて勉強してください!
そうでない人も、こういう知識を持って、一度鍾乳洞を見てみてはいかがでしょうか?
これまでとはまた違った見方ができるかもしれません。