とんでもない親父がいたもんだ・・・ 第1章 家族紹介 その2 ばあちゃん

じいちゃんの紹介でも出てきたばあちゃん。

現在はすでに他界してしまったが・・・。

哲也にとって、ばあちゃんは本当に大事な存在だった。

実は哲也には母がいない。

このことは必要なので、また別に詳しく書くが

ばあちゃんはそんな哲也をかなり大事に育ててくれた。

畑いじりが好きで、作物をつくったり、花を植えたりしていた。

収穫を手伝うのは日課であった。

まだ哲也がおさないころは土木現場で働いていた。

じいちゃんが亡くなって何年か経ったあるときからだを壊して、仕事に行けなくなった。

入退院を繰り返したが、調子いいときはとにかく畑いじりをしていた。

これも後述するが、父もからだを壊し収入がなくなったとき、ウチは生活保護を受給することになった。

そんな中、堅実なばあちゃんは哲也のためとコツコツお金をためていて、大学行きたいという願いも叶えてくれた。思えばかなり苦労かけたものだ・・・。

哲也が大学生になり鹿児島に行き、そのあとの就職も県外だったため、帰省した時しか会えなかったが、いつも会うとほっとした。それだけ哲也にとってばあちゃんは大きな存在だった。

心臓病になり手術したときのこと・・・。

県外で塾講師として働いてた哲也に、ばあちゃんは「ウチがこうなったのは知らせんどき。」とまわりに口止めしてたらしい。

そのため手術のことを聞いたのは、体調が落ち着き退院したあとだった。

怒りたい気持ちもあったが、哲也の仕事に支障を出すまいと口止めした気持ちを考えると怒れず、ただただ気を使わせて申し訳なかった。

それからしばらく元気だったようだが、あるとき心臓病が再発。瞬く間に弱り、駆けつけたがほとんど意識がない状態だった。

それからしばらくしてばあちゃんはこの世を去った。

何もしてやれず、もっとそばにいれたらと思ったが、ばあちゃんは常日頃、哲也が元気で家族と仲良くやってくれてれば幸せなんだと言ってたらしい。

こんなばあちゃんを哲也は誇りに思っている。

長女が小さいころ、実家に連れていき、ばあちゃん含めみんなで南蔵院(篠栗にある霊場)に参拝に行ったことがある。

小さな長女は立ち並ぶお店にいろんなものが売られていたので、楽しそうに見て回っていたのだが、そのうちあるおもちゃの前でじっと動かなくなった。

別にほしいとか言ったわけではない。

ばあちゃんは長女に「これが欲しいんか?こうちゃろう。」と言うと、さっさとレジに持って行った。

そしてそれを渡すと、長女は「あーと!」(ありがとう)と言ってにこにこと笑った。

そのときの満足そうなばあちゃんの顔は忘れられない。

・・・ボクが子供のころ、欲しいって言ってもあまり買ってもらえんかったぞ!?

とは思ったが、ばあちゃんが哲也同様、子供をかわいがってくれることがうれしかった。

それだけに、次女の誕生まで生きてほしかったなぁ。

ばあちゃんとは衝突したこともあったが、本当に大事にしてくれた大好きな人だった。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *