今朝はいい天気でした! 今は雨降ったりやんだりしてますが・・・・。 いい天気だったので、久しぶりに北浜へ。 潮風と海のにおいを感じてきました! この松の並木はいつ見ても圧巻! ワルナスビの花がたくさん咲いてました! 海に寄ってみると・・・・。 なんと!一面クラゲがうようよ・・・。 なんかすごかった・・・。 で、帰宅後少しいつもの樹液も見に行きました。 大型のコクワガタ。 持ち帰るか迷ったけど、そのままにしておきました。 今日はコクワガタ♂♀あわせて3頭見ました。 今日も楽しい散歩でした!
ふみちゃんという、強力な助っ人のおかげで戦意を取り戻した哲也は、とにかく夢中でリールを巻いた。 その距離はだんだん縮まってくる。 すぐそこにあの巨体が常に見えている状態になった。 終わりは近い。 二人は最後の力をふりしぼる。 弱ってるだろうが、それでもときどき水面をしっぽでたたき、抵抗してくる。 そのたびに腕に衝撃が伝わり、握力を奪う。 それでも二人は離さない。 最強のコンビだ。 もうあと5mもない。すぐそこでコイが右に左に走る。 しかし最初の力はもうない。 それにしてもでかい。 こんなものと戦っていたのか? 時計は持ってないが、おそらく20分以上は経っていると思う。 バシャバシャ! 水面が炸裂する。 コイは大きく体をくねらせ、岸に寄るのをいやがるように暴れる。 でももう年貢の納め時だ。 ついにコイの顔が水面から出た。 大きな口を開けたコイ。かなりの迫力だ。 哲也はその顔を見て再び恐怖を覚えた。 でかすぎる。怖い。 手が震える。とりこむための網をとろうと、竿から右手をはなす。 そのときだった。 カシャン! 哲也の手がベイルに当たった。 シュルシュルと糸が出る。 「しまった!」 このときにはすでに遅かった。 慌ててベイルを閉じたが、手が届きそうなところまで寄ったコイはまた岸から離れた。 糸の色から察するに10mちょっとというところか・・・。 もう握力も腕力も限界。足もガクガクしている。 はさみで糸を切ってあきらめようとしたとき以上の絶望感が襲う。 そして助っ人ふみちゃんも限界を迎えていた。 「ごめん。ふみちゃん・・・。」 「いや、いいよ。」 二人の言葉には力は宿っていない。 悟っているのだ。もう一度あのコイをここまで引き寄せる力はもう二人には残っていないことを。 今、二人が中学生くらいになっていたら・・・・。 そんなことを考えるが、現実は小学4年生。急に力は宿らない。 そして、体中の力を使い果たしている。 もう打つ手はない。 今度こそ本当にあきらめるときだ。 このまま戦っても、哲也もきついがなによりふみちゃんに申し訳ない。 三段池から家に帰るには、二人ともかなり急こう配の坂道を自転車でのぼらなければならない。 その体力もすでに残ってないほど消耗しているのだ。 これ以上は、無理はできない。 哲也は悔しさをこらえ、今度こそはさみで糸を切ろうと覚悟した。
哲也は片手でなんとか竿を支え、仕掛け入れに手をかけた。 そして糸切ばさみをつかもうとした。 意を決したとはいえ、悔しくて涙が出る。 もう少し力があったら・・・。 そんなことを思いつつ、道具を探っているとまたコイがすごい速さで走り出した。 「うわぁ!」 手が離れそうになる。 慌てて竿を両手で持った。 とんでもないヒキだ。 糸を切ってあきらめることさえ許さないのか? 戦い始めた以上、最後まで相手をさせる気なのか? はさみをとるどころではない。竿を持つのが精いっぱい。 まっすぐ沖へ走ったかと思うと、今度は右へ左へと動く。 腕が悲鳴を上げている。 「てっちゃーん!」 何か呼ばれた気がした。 しかし哲也は反応できない。コイとのファイトでそれどころではない。 声がしたほうに振り向くなどできないのだ。 ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、声の持ち主は駆け寄ってきた。 「どうしたん?」 声を聞いてまた涙が出た。 こんなことってある? 振り向かなくてもわかる。 釣り仲間のふみちゃんだ。 「とんでもないでかいのがかかってあげられない。」 そういうと、ふみちゃんは一緒に竿を支えてくれた。もう竿を立てることもできなかったのに、二人の力ならなんとか竿を立てることができた。 チャンスだ。哲也はがんばってリールを巻いた。 恐ろしい力だ。なかなか巻き取れない。 それどころか、ドラッグを強く締めているのに糸がじりじりと出ていく。 また絶望感が襲う。 しかし、今は一人じゃない。 ふみちゃんはよく一緒に釣りに行く仲間だ。 うでを競い合いながら釣りをするが、分は悪い。 3対7くらいの割合で大体勝負に負けている。 悔しいが、釣りのウデはふみちゃんのほうが上だ。 ただ、哲也同様からだが小さく力が強いわけではない。 それでもそんな彼が来たことは心強かった。 実はたまたまふみちゃんもこの三段池で釣りをしていたらしい。 ふみちゃんは一段目で釣っていたということだ。 三段池の二段目と三段目は細い道をはさんで隣接しているが、一段目だけ少し高台にある。 そのためお互い来ていることをしらなかったのだ。 一段目で釣ってたが、今日は成果が上がらず、場所を変えてみようと二段目に来たらしい。 そしたら哲也がいてこの状態だったというわけだ。 ふみちゃんが支えてくれる分、楽にはなったが野鯉は全然弱る気配がない。 でも哲也はそれまでほぼあきらめていたのに、今はうでがちぎれても釣り上げようと思っていた。 仲間の存在がこれほどまでに力をくれるとは・・・・。 本当にありがたかった。 がんばった甲斐があって、ゆっくりではあるがだんだんリールを巻けるようになってきた。 投げた距離がわかるように、10mごとに色分けされたラインを使っていた。 最初40mほど出ていたのだが、20mくらいまで巻き取ったようだ。…