昨日はせっかくの休みだったのに、まさかの発熱・・・。 というわけで夕方少しだけ、自宅付近を歩きました。 月がきれいでしたよ。 夕方歩くのは珍しいので、今回の記事はレア!かもしれません。 では332日目の発表です! 結果2.3km! 累計1600.3km! 残り399.7km! やりました!ついに1600km達成です!気を抜かずがんばろう! 散歩の詳しい様子は→コチラ
残念ながら、そのころの哲也には 幼虫飼育する際にマットを堅詰めするという知識はなかった。 そもそも幼虫は自然界では朽木の中で成長する。 それをマット(オガ)で飼育するのだから、堅く詰めることで木の中であるかのように再現するわけだが、小学生の哲也にはそこまでの考えには至らなかった。 コクワガタの幼虫のときは、幼虫も小さくて、マットを食べる量も少なかったために事なきを得たが 今回の幼虫はそのときのものの2倍以上の大きさがある。 何の幼虫かはわからないが、コクワガタではないのだろう。 当然、マットを食べる量も多い。 そのため、ビンの口付近まで入れていたマットが1か月もすると、かなり減っている。 哲也は減りが目立ってくると、マットを継ぎ足していくことにした。 そうするうちに春が来て、次第に暖かくなってきた。 減るのも早くなり、とにかくえさを切らさぬよう、こまめに継ぎ足した。 梅雨のころだろうか・・・。 もうすぐ夏だというのに、それまで活発に動き、えさを減らしてきた幼虫だったが ここにきて、あまりマットを食わなくなってきた。 哲也は心配になってきた。 何かが悪くて、死にかけてるんじゃないだろうか・・・・。 不安はつのるが、何もできない。そもそも原因もわからない。 実は哲也はカブトムシの幼虫で一度失敗している。 幼虫の姿を確認するため、何度も掘りだしたり、さなぎをさわりまくったりして 死なせてしまったことがある。 哲也はとにかくえさを切らさず、さわらないことを心掛けてきた。 それなのになぜ・・・? しかし、あるときその疑問が解決する出来事が起こった。 「部屋つくってる!」 びんの壁を利用して、幼虫のからだの2倍ほどもある大きな空間ができていた。 その中で幼虫は丸くなったまま、あまり動かない。 もしかしたら、さなぎになる準備じゃないか? 哲也はもう一度、図鑑や本を読みかえした。 確かに、さなぎになるためには部屋をつくるようだ。 そして、部屋の中でしばらくしてさなぎになり、しばらくして羽化。 その後休眠して翌年の夏に出てくるらしい。 哲也はそれが本当かどうか、観察を続けた。 そもそもしばらくしてって、どのくらいだ!っていう話だ。 今にして思えば、こういう期間というのは、種類や大きさ、温度、環境などでかなり変わるので、一概にこのくらいです!と言えないのはわかるが、そのときの哲也にとってみれば、なんで詳しく書いてくれないのか!と思ったものだ。 部屋を確認してから1か月ほど経っただろうか。もう梅雨も明けるというころ・・・。 哲也は遊びに行ってから帰ってきて、ビンを見て感動した。 「やった!さなぎになってる!」 そこには大きなノコギリクワガタのさなぎが横たわっていた。 間違いなくノコギリクワガタとわかる大あごの湾曲・・・。 「ノコギリや!絶対ノコギリや!」 この日はかなり興奮していたと思う。 父にもおばにも祖母にも、一生懸命見せながら説明したのを覚えている。 興奮していたので覚えていないが、おそらく3人とも 「そうか、よかったな」くらいの軽い反応だったように思う。 しかし、哲也にはそんなことはどうでもよかった。 図鑑でしか見たことのないクワガタのさなぎが目の前にある。 しかもそれはまぎれもなく”水牛”のものだろう。 こんなすごいことはない。 うれしすぎて友達も何人か呼んで、見せびらかした覚えがある。…
ついに水牛を手に入れた哲也・・・。 その後も新しい場所を見つけたり、様々な最終手段を覚えたりして 毎年、何頭かはとれるようになってきた。 当然だが、哲也の採集力のアップによりほかのクワガタやカブトムシの採集数も増えてきた。 しかし・・・。子供の欲というのは・・・。 それでももっととりたいと思うのが子供だ。 さらに言えば、夏だけでは物足りない・・・。 冬にもクワガタをとりたいと思い始めたのだ。 そんなある日、父と知り合いの家の庭の整備の作業を手伝いに行くことになった。 まあ、手伝いと言っても、父は作業を手伝うのだが・・・。 哲也は戦力にはならず、庭で遊びまわるために行くのだ。 この日は腐って倒れた木の根を掘り起こして、取り出したあとに花壇をつくる計画らしい。 たまにこの家に行くのだが、庭が広くて、いろんな木々があり哲也にとっては格好の遊び場だった。 もちろん暖かい時期は虫とりもできる。 今は冬なので虫とりはできないだろうが、庭を探検するだけでもそのころの哲也には大冒険なのだ。 父とおじさんが作業しているのをしり目に、悠々と遊んでいたのだが・・・。 「哲也ー!来てごらん。」 突然父に呼ばれた。非力な哲也を屈強な大人二人があてにするはずもないのだが・・・。 「なにー?」 聞きながら哲也は走ってそこへ向かった。 何の木かはわからないが、とにかく朽ちた木の根を掘り起こしているところだった。 哲也が近くまで来ると父が 「そこばちょっと見てん。」 と指さした。 「あっ!幼虫!」 そう、そこには何かの幼虫がいたのだ。 確信はなかったが、哲也はそれがクワガタではないかと思った。 なぜなら図鑑で見たものと似ているからだ。 木の中にいるのもクワガタと推理するに至った理由だ。 小さいが、幼虫が2頭ほど見える。 父とおじさんはその木を掘りだして、脇に置いた。 その根はかなり朽ちてて、子供でも割れそうなほど、木独特の堅さを失っていた。 おじさんがナタを一つ持ってきた。子供でも使えそうな小さなナタだ。 「ほれ、これで割ってみてん。」 「ありがとう!」 哲也は受け取るとまずは見えていた幼虫を回収した。 それからナタでその根を崩してみた。 するとなんと!部屋があってコクワガタの成虫が出てきたのだ。 「クワガタがおったー!」 哲也は歓喜の声を上げ、二人に知らせた。 二人は満足そうに笑ってこっちを見た。 結局哲也は、ここでクワガタの成虫数頭と幼虫数頭を手に入れることができた。 成虫はケースで冬越しさせ、幼虫は本で見たように空き瓶に広葉樹のオガをしきつめて飼育した。 春にはそれらの幼虫はコクワガタとして外に出てきた。 幼虫飼育に成功した哲也は、やはりどうしても幼虫を山で見つけたくなった。 冬のある日、哲也は山に入った。夏と違って寂しいが、草は枯れてるし木々の葉が落ちて見通しもよく入りやすい。 何度か探索していくうちに、ついに哲也はその庭で見たような、朽ちた倒木を見つけた。 「これとかよさそうばい・・・。」 哲也はナタでその倒木を削っていった。 しばらくすると・・・。…