今朝は休みだけど超早起きしました! 雨が降る前に散歩したかったからです! 雨に濡れたツユクサ。 これはこれでいい! もうポツポツと・・・。 それでもがんばって歩くのは・・・・。 からだのため! そしてチャレンジ1000kmのため! 雨の日もがんばってるボクです! 応援よろしく! →チャレンジ1000km!塾長ウォーキング!のブログはコチラ
そよそよと風が哲也の髪をなでる。 哲也はなかなか音が鳴らない鈴を、焦りと不満からうらめしそうに眺めた。 静かだ。ただただ静かだ。 車道から遠いわけではないが、なぜかほとんど車が通らず、人も来ない。 長い時間池にいると、なんらか魚が跳ねたりして音がするものだが、そんな音も入ってこない。 このまま永遠に静寂が続くのではないか?との錯覚にとらわれる。 ほんの少し前まで、釣れない状況を打破したいと、あれこれ策をめぐらせていたのに、なんかそれさえも面倒くさい。 少しふてくされたように、哲也はまた帽子を顔にのせ、鈴が目に入らないようにした。 そして目をつぶった。 そのうちうとうとしはじめていた。 チリンチリン。 かすかに鈴の音が鳴った気がした。 しかし音が小さすぎる。魚がかかったのならもっと大きな音がするだろう。 泳いでるマヌケな魚が糸にぶつかったんだろう。 そんなことを考えて、哲也は再び目を閉じた。 チリンチリン。 今度は間違いなく鳴った。さっきより大きな音だ。 哲也は慌てて体を起こすと、竿先の動きや鈴に注目した。 アタリかもしれないが、必ず魚が針を咥えるとは限らない。 慌ててリールを巻けば、針を飲む前にしかけを上げてしまうことになる。 吸い込み釣りの獲物は、もちろんコイの場合もあるが、正直確率は低い。 そのほとんどがフナである。 経験上、フナがかかった場合は次の2つのパターンが多い。 1つは鈴が鳴ったあと、ガチャガチャとさらに音を立てながら、竿を引っ張る場合。 この時はすぐにかかったとわかる。 もう1つは鈴が鳴ったあと、糸がだらんと張りを失い、鈴の音がとまる。 おそらく針にかかったあと、岸に向かって泳いだものと思われる。 哲也は竿先をじっとにらんでいた。 本日初のアタリかもしれない。 竿を引っ張るのか?糸がたるむのか?それとも針を咥え込まず、エサだけ堪能して逃げるのか? 哲也は待つしかない。 ただただ竿先をにらんだままの時間が続く。数分経っただろうか? 音はならない。 「ダメか・・・。」 哲也はあきらめたように、竿から目を逸らせた。 今日はダメは日なんだろう。 今のエサは投げ込んでまだ10分ほどだ。 えさが溶け落ちるまでおそらく30分かかるかかからないかくらいだろう。 哲也は時計を見た。 「よし、あと20分したら帰ろう。」 そう決めた瞬間! ガチャン! ものすごい音がした。