Category: 哲也昆虫記外伝~クワガタの章~

哲也昆虫記 ~クワガタの章~ ①ノコギリクワガタ その6 完結編

残念ながら、そのころの哲也には 幼虫飼育する際にマットを堅詰めするという知識はなかった。 そもそも幼虫は自然界では朽木の中で成長する。 それをマット(オガ)で飼育するのだから、堅く詰めることで木の中であるかのように再現するわけだが、小学生の哲也にはそこまでの考えには至らなかった。 コクワガタの幼虫のときは、幼虫も小さくて、マットを食べる量も少なかったために事なきを得たが 今回の幼虫はそのときのものの2倍以上の大きさがある。 何の幼虫かはわからないが、コクワガタではないのだろう。 当然、マットを食べる量も多い。 そのため、ビンの口付近まで入れていたマットが1か月もすると、かなり減っている。 哲也は減りが目立ってくると、マットを継ぎ足していくことにした。 そうするうちに春が来て、次第に暖かくなってきた。 減るのも早くなり、とにかくえさを切らさぬよう、こまめに継ぎ足した。 梅雨のころだろうか・・・。 もうすぐ夏だというのに、それまで活発に動き、えさを減らしてきた幼虫だったが ここにきて、あまりマットを食わなくなってきた。 哲也は心配になってきた。 何かが悪くて、死にかけてるんじゃないだろうか・・・・。 不安はつのるが、何もできない。そもそも原因もわからない。 実は哲也はカブトムシの幼虫で一度失敗している。 幼虫の姿を確認するため、何度も掘りだしたり、さなぎをさわりまくったりして 死なせてしまったことがある。 哲也はとにかくえさを切らさず、さわらないことを心掛けてきた。 それなのになぜ・・・? しかし、あるときその疑問が解決する出来事が起こった。 「部屋つくってる!」 びんの壁を利用して、幼虫のからだの2倍ほどもある大きな空間ができていた。 その中で幼虫は丸くなったまま、あまり動かない。 もしかしたら、さなぎになる準備じゃないか? 哲也はもう一度、図鑑や本を読みかえした。 確かに、さなぎになるためには部屋をつくるようだ。 そして、部屋の中でしばらくしてさなぎになり、しばらくして羽化。 その後休眠して翌年の夏に出てくるらしい。 哲也はそれが本当かどうか、観察を続けた。 そもそもしばらくしてって、どのくらいだ!っていう話だ。 今にして思えば、こういう期間というのは、種類や大きさ、温度、環境などでかなり変わるので、一概にこのくらいです!と言えないのはわかるが、そのときの哲也にとってみれば、なんで詳しく書いてくれないのか!と思ったものだ。 部屋を確認してから1か月ほど経っただろうか。もう梅雨も明けるというころ・・・。 哲也は遊びに行ってから帰ってきて、ビンを見て感動した。 「やった!さなぎになってる!」 そこには大きなノコギリクワガタのさなぎが横たわっていた。 間違いなくノコギリクワガタとわかる大あごの湾曲・・・。 「ノコギリや!絶対ノコギリや!」 この日はかなり興奮していたと思う。 父にもおばにも祖母にも、一生懸命見せながら説明したのを覚えている。 興奮していたので覚えていないが、おそらく3人とも 「そうか、よかったな」くらいの軽い反応だったように思う。 しかし、哲也にはそんなことはどうでもよかった。 図鑑でしか見たことのないクワガタのさなぎが目の前にある。 しかもそれはまぎれもなく”水牛”のものだろう。 こんなすごいことはない。 うれしすぎて友達も何人か呼んで、見せびらかした覚えがある。…

哲也昆虫記 ~クワガタの章~① ノコギリクワガタ その5

ついに水牛を手に入れた哲也・・・。 その後も新しい場所を見つけたり、様々な最終手段を覚えたりして 毎年、何頭かはとれるようになってきた。 当然だが、哲也の採集力のアップによりほかのクワガタやカブトムシの採集数も増えてきた。 しかし・・・。子供の欲というのは・・・。 それでももっととりたいと思うのが子供だ。 さらに言えば、夏だけでは物足りない・・・。 冬にもクワガタをとりたいと思い始めたのだ。 そんなある日、父と知り合いの家の庭の整備の作業を手伝いに行くことになった。 まあ、手伝いと言っても、父は作業を手伝うのだが・・・。 哲也は戦力にはならず、庭で遊びまわるために行くのだ。 この日は腐って倒れた木の根を掘り起こして、取り出したあとに花壇をつくる計画らしい。 たまにこの家に行くのだが、庭が広くて、いろんな木々があり哲也にとっては格好の遊び場だった。 もちろん暖かい時期は虫とりもできる。 今は冬なので虫とりはできないだろうが、庭を探検するだけでもそのころの哲也には大冒険なのだ。 父とおじさんが作業しているのをしり目に、悠々と遊んでいたのだが・・・。 「哲也ー!来てごらん。」 突然父に呼ばれた。非力な哲也を屈強な大人二人があてにするはずもないのだが・・・。 「なにー?」 聞きながら哲也は走ってそこへ向かった。 何の木かはわからないが、とにかく朽ちた木の根を掘り起こしているところだった。 哲也が近くまで来ると父が 「そこばちょっと見てん。」 と指さした。 「あっ!幼虫!」 そう、そこには何かの幼虫がいたのだ。 確信はなかったが、哲也はそれがクワガタではないかと思った。 なぜなら図鑑で見たものと似ているからだ。 木の中にいるのもクワガタと推理するに至った理由だ。 小さいが、幼虫が2頭ほど見える。 父とおじさんはその木を掘りだして、脇に置いた。 その根はかなり朽ちてて、子供でも割れそうなほど、木独特の堅さを失っていた。 おじさんがナタを一つ持ってきた。子供でも使えそうな小さなナタだ。 「ほれ、これで割ってみてん。」 「ありがとう!」 哲也は受け取るとまずは見えていた幼虫を回収した。 それからナタでその根を崩してみた。 するとなんと!部屋があってコクワガタの成虫が出てきたのだ。 「クワガタがおったー!」 哲也は歓喜の声を上げ、二人に知らせた。 二人は満足そうに笑ってこっちを見た。 結局哲也は、ここでクワガタの成虫数頭と幼虫数頭を手に入れることができた。 成虫はケースで冬越しさせ、幼虫は本で見たように空き瓶に広葉樹のオガをしきつめて飼育した。 春にはそれらの幼虫はコクワガタとして外に出てきた。 幼虫飼育に成功した哲也は、やはりどうしても幼虫を山で見つけたくなった。 冬のある日、哲也は山に入った。夏と違って寂しいが、草は枯れてるし木々の葉が落ちて見通しもよく入りやすい。 何度か探索していくうちに、ついに哲也はその庭で見たような、朽ちた倒木を見つけた。 「これとかよさそうばい・・・。」 哲也はナタでその倒木を削っていった。 しばらくすると・・・。…

哲也昆虫記 ~クワガタの章~ ①ノコギリクワガタ その4

結局小1の夏、哲也は水牛を捕まえることはできなかった。 ただ、少々大きめのものはとれたし、満足もしていた。 そして来年の夏は必ず水牛をとる!と誓っていた。 長い冬が過ぎ、春が過ぎ、ついに夏がやってきた。 哲也は当然のごとく、クワガタとりにでかけた。 これまでにインプットした場所を順番に回るのが日課だ。 夏休みに入り、7月も終わりに差し掛かる暑い日・・・。 これまでコクワガタや小型のヒラタ・ノコギリと、昨年までと変わらない成果しかあげていなかった。 今ではまだ怖さは残るものの、だいぶ入るのに慣れてきた例のササのトンネルを抜けた先の太いクヌギの場所。 この日もそこを目指して、背の高いササの中をかき分けて進んだ。 そして、クヌギの木の周りのわずかな空間に出る。 樹液のむせかえるようなにおいがたちこめ、鼻をつく。 しかしいやなにおいではない。 いつものように正面には コクワガタやシロテンハナムグリ、カナブンなどの常連が餌場を占領していた。 オオムラサキはじめ、チョウやガのなかまがもうしわけなさそうに、少し離れたところに陣取っている。 ムカデも見えるが、慣れっこの哲也にはさほど怖くはない。 哲也は洋々とコクワガタたちをつかんでかごに入れた。 この木では、ある種行動のパターンが決まってきていた。 まずは正面の樹液まわりをチェック。 次に根元の落ち葉をはぐる。 そして裏側をチェック。 最後に高いところを見上げ、網の届く範囲にいないか見回す。 この木は蹴ってもビクともしないし、背の高さまでには枝もないので今の哲也には登ることもできない。 というわけで、これらの工程を終えたら立ち去るのが常だ。 落ち葉をはぐるとヒラタクワガタのメスを手に入れた。 いよいよ木の裏側に回る。 実は、回ると簡単に書いているが、実際にはそう簡単でもない。 空間があるとはいえ、周りはササがぎっしりだ。 木に密着して回れば、樹液で服を汚したり、ムカデやケムシなどにやられる可能性もある。 網はいったん正面に置いておき、慎重に裏に回る。 なんとか裏に回り、改めて木を見て、哲也は絶句した。 「!」 驚きすぎて声が出ない。 数秒経ち、我に返ってから押し殺したような声で小さくうなった。 「やったぞ。とうとう見つけた・・・。」 本当は大声で叫びたかった。 しかし、気づかれて飛ばれたり、下に落下して見失うと大変だ。 そう、ヤツがいたのだ。 自分の目の高さより少し上。 手を伸ばせば届く位置。 小さなくぼみがあり、メスが頭をつっこんで樹液を吸っている。 そのメスにおおいかぶさるようなオスの姿があった。 そしてその姿はまぎれもなく、追い求めた水牛であった。 穴が開くほど本で見た、あの湾曲の鋭い大あご。 そして今までつかまえたものよりあきらかに大きなからだ。 圧倒的な存在感で、その場を支配していた。 哲也は声を押し殺し、ゆっくりと手を伸ばした。 そしてギュッっとその水牛をその手につかんだ! このとき堰を切ったように、哲也の口からは歓喜の声が漏れた。…

哲也昆虫記 ~クワガタの章~ ①ノコギリクワガタ その3

ある日、哲也は川に魚とりにでかけた。 雨の影響か、いつも遊ぶところは少しにごっていて、さらにいつもより水が多く、流れも速かった。 さすがにそこに入って魚をとるのは怖かったので、おだやかな場所を求め、いつもの場所より下流の方へと歩いて向かった。 しかし、どこまで行っても川はいい状態ではない。 「ふう・・・。」 哲也は大きくため息をついた。 さすがに今日、魚をとるのは無理か・・・。 何せ、昨日はまあまあ雨が強かった。 この日は朝から晴れてはいたが、川がすぐに落ち着くわけもない。 しかたない。帰ろうか・・・。 引き返そうと思ったのだが、ふと川沿いにある木が気になった。 「あれはヤナギ?」 川沿いのアスファルト道路にはところどころガードレールがあった。 ガードレールの横は土手になっており、河原へとつながる。 今までそんな下流まで来たことがなかった哲也は、このヤナギの存在を知らなかった。 いつも山ではクヌギの木で採集をしている哲也だが、ヤナギに反応したのにはわけがあった。 哲也の自宅のそばに田中公園という小さな公園がある。 そこには桜やヤナギなどの木が何本か立っていた。 よく遊びに行く場所の一つだが、実は一度だけそのヤナギの木の樹皮の下で もぐりこんでいたコクワガタをつかまえたことがあった。 河原のヤナギを見たとき、その光景が鮮明によみがえったのだ。 しかし、公園のヤナギと違い、そのヤナギは細くて背が低い。 太くて背が高い公園のヤナギと違って期待はできないだろう。 それでも、魚がとれない以上、なんらかの成果をあげなければならない。 哲也は、もう少しだけ歩き、そのヤナギの木の前に立った。 着いた瞬間、来てよかったと思った。 そのヤナギはそのときの哲也の目の高さまで 樹皮がめくれ、大小の穴があき、樹液も出ており、かっこうのクワガタの住処だったのだ。 しかも、目の前にすでにコクワガタがいる。 それが1頭や2頭じゃない。見えてるだけで5,6頭はいた。 「やった!すげー!」 哲也は歓喜の声を上げつつ、夢中になってクワガタを捕まえまくった。 虫かごを持ってきてなかったので、釣り具入れにほうりこんだ。 一通りとり終わり、ふぅと息をついた。 そのあとふと上を見上げると・・・。 「枝のあちこちにクワガタがいる!」 哲也はかなり興奮状態だった。 目の高さの樹液や、根元、樹皮の下からすでに10頭近いコクワガタをとっていた。 しかし、さらに枝に何匹もクワガタが見えるのだ。 哲也はまず網でとどく範囲のクワガタを網になんとか陥れた。 これでまた数頭追加だ。 でも、まだ見える。 ということで哲也はその木に登り始めた。 そして少し登った、足場が良いところでいったん登るのをやめ上を見上げた。 そのとき、1頭の少し大きめのクワガタが目に入った。 「のこぎりだ!」 哲也は興奮気味に叫んだ。 地面に立てかけておいた網をつかんでゆっくりと操作する。 そして枝の先端にじっとつかまっているノコギリクワガタの下に網を添えた。 それから網のふちでそいつを網に落ち込むように誘導した。…

哲也昆虫記外伝 ~クワガタの章~ ①ノコギリクワガタ その2

ノコギリクワガタの大あごには大きく分けて3種ある。 長歯型・両歯型・原歯型の3つだ。 長歯型というのが、大あごが長くて湾曲が強い、いわゆる水牛の大あごだ。 サイズも大型のものでよくみられる。 両歯型は、大あごが長いが、湾曲があまり強くないタイプ。 サイズは中型のものが多い。 原歯型は、大あごが太短く、湾曲もしない。 サイズは小型のもので見られる。 もちろん、哲也は水牛が欲しいのだが、そもそもつかまえたクワガタがコクワガタばかりで ノコギリクワガタをつかまえていない。 なんとかノコギリクワガタをとりたいが、今通ってる場所では厳しい。 というわけで、哲也は気になる場所に行ってみることにした。 いつもの道沿いのクヌギたち。 そこから少し離れたところにササが伸びた雑木林がある。 その中にはクヌギの木もある。 実は、そこに自分より大きな男の子が入っていくのを見たことがあった。 確信はないが、おそらくクワガタやカブトムシをとるためだろう。 しかし、ササはそのときの哲也の背よりも大きく伸び、中がどうなっているのか見えにくい。 正直言うと怖かった。 だが、今のままではノコギリクワガタはとれないだろう。 哲也は意を決して、その中に入ることにした。 網をさかさまに持ち、柄の部分でササをかきわけながら進む。 そもそもどこに行けばクヌギがあるかもわからない。 ヒントはその場所を遠目に見たときに見えたクヌギの枝葉があった方向。 しかし、中に入ると思った以上に方向感覚がなくなる。 「このまま奥に行ったら出られんくなるかもしれん・・・。」 哲也は不安で引き返したくなった。 しかし、ノコギリクワガタの写真が頭をよぎる。 哲也は泣きそうなのをこらえて前に進んだ。 行くしかない。 泣き虫な哲也もやるときはやるんだ。 ガサガサと自分の背よりも高いササを払いながら進むこと数分・・・。 しかし哲也にはとてつもなく長い時間に感じていた。 そのとき、ポカンと開けたスペースに出た。 「うわ!すごい!」 とんでもない光景が広がっていた。 むせ返るような樹液のにおい。 大人二人で囲まないと届かないんじゃないかというほど太いクヌギ。 目の高さほどのところが広範囲にわたってでこぼこで、いたるところから樹液があふれ出ている。 そしてチョウやガ、カナブンなどの昆虫がわんさかいた。 そしてすぐに、コクワガタのオスとメスを見つけ手を伸ばそうとした。 「ん?」 手を伸ばしながら木に近づいてるとそこから少し右上にクワガタの姿が見えた。 「まさか!」 哲也は今にもつかもうとしていたコクワガタから目をそらし、その右上を凝視した。 「ノコギリだ!」 哲也は、必死にそのクワガタをつかんだ。 「やった!ノコギリだ!」 哲也の手には、小型の原歯型のノコギリクワガタがにぎられていた。 ついにノコギリクワガタを自分の力で手に入れたのだ。…

哲也昆虫記 ~クワガタの章~ ①ノコギリクワガタ その1

哲也は昆虫が大好きで、クワガタはその中でも最も好きな昆虫であった。 図鑑を毎日のように穴が開くほど見ては かれらが棲む山、かれらが集まる木々、かれらが育つ環境・・・。 そんな場面を夢見ては、なんとか見つけ出してつかまえたいと思っていた。 中でもノコギリクワガタは格別だった。 図鑑で見るたびにため息が出る。 大きく湾曲した大あごに、赤みを帯びた美しいからだ。 ぜひ手にしたい! 幼く、まだ山に入ったことのない哲也は 早く大きくなって、山に入って このノコギリクワガタをなんとかつかまえたいと考えていたのだ。 同じノコギリクワガタでも、からだの大きさによってその形が異なる。 特に大あごの形がかなり変異する。 ノコギリクワガタの大きいもので、大あごの湾曲が強いものを”水牛”と呼んでいた。 これは地方名なのか、あちこちで言われてるのかはわからないが・・・。 とにかく、哲也の育った篠栗ではそう呼んでいた。 哲也が5歳になったころ、少しずつ山に遊びに行くようになった。 もちろん、むしとりのためだ。 実は近所の兄ちゃんから、小さい子でもクワガタがとれる場所を教えてもらっていた。 普通に車も通れるような道(とはいえ、ほとんど車が通らない場所だが)に沿って 大きなクヌギ1本と細くて背が低いクヌギが2本ならんだ場所だ。 哲也はそこに通うことで、コクワガタを何度か捕まえることに成功した。 すごくうれしかったが、ノコギリクワガタはとれない。 しかし、ある日まだ小学生にも満たない小さな哲也がクワガタを探していると、小学校高学年だろうか? 背が高い大きな男の子がやってきた。 彼は哲也に当たり前のように 「なんかおったか?」 と聞いてきた。 「コクワが2ひきおった。」 哲也はカゴを指さして見せた。 「よかったな。」 そういうと、その男の子は細い2本の木をけり始めた。 何事だ?と思っていると なんと木からポロポロと何か落ちてくるではないか。 そしてそれらが落ちた場所を確認し、あっさりとノコギリクワガタを手にしたのだ。 「すごい・・・。」 哲也は思わず声を上げた。 水牛ではなかったが、男の子は無情にもそのノコギリクワガタをかごに入れると そそくさと立ち去った。 なんともいえない悲しい気持ちになった。 彼が去って、ためしにその木をけってみるが、ビクともしない。 5歳の子供のケリがクヌギに通用するわけがないのだ。 結局は、低い位置で樹液が出ているところをチェックするしかなかった。 別の日・・・。 哲也の近所に住むY君が家にやってきた。 「てっちゃんあそぼー!」 外に出ると彼は虫かごをもっていた。 そしてそこには・・・。なんと大きなノコギリクワガタが入っているではないか! 「もしかして水牛!?」 聞くと、彼は得意そうに・・・…

予告! 新章開幕! 哲也昆虫記外伝 ~クワガタの章~ ついに連載開始!

哲也昆虫記 ~ファーブルになりたかった少年~の中では クワガタ以外の昆虫ばかり取り上げてきました。 哲也は、様々な昆虫たちに興味を持ち つかまえたり、飼育したりしてきましたが 中でもクワガタは最も好きな昆虫であり、特別な思い入れがあります。 そのため?今もクワガタ飼育を続けています。 というわけで ついにクワガタに特化した、クワガタと哲也の織り成す壮大な物語を紡いでいきたいと思います! 画像に使ったのは、50過ぎて初めて描いてみたミヤマクワガタの絵。 もう3年ほど前かな? というわけで、最初に登場するのは・・・。 ミヤマクワガタではありません。 さあ、何が出るのか!乞うご期待! 連載は来週、2月27日から開始予定! それまでは・・・。 哲也昆虫記 ~ファーブルになりたかった少年~ をお楽しみください。 お楽しみに!